楽天の金利手数料収入のお話
前回の記事において、「楽天の利益のかなりの部分を、リボ払いの手数料収入が占めている」なんて書いちゃったんですが、イメージだけでこんなこと書くのも無責任な気がするので、ちゃんと調べて見ることにしました。
リボ払いの残高について
リボ払いの金利はわかっているので(年利15%!!!)、楽天が抱えているリボ払い残高(楽天にとっては資産)がわかれば、年間の収入が大体わかります。
というわけで、2020年度の決算資料を見てみました。
2020年度決算スライド補足資料
こちらの37ページに、現在のリボ払い+キャッシングの残高が載っています。
この資料によると、2020年12月時点での残高は7395億円となっています。
(写真載せようかと思ったんですが、楽天ロゴが入っちゃうとまずい気がするので自主規制)
手数料収入の水準
2019年12月時点の金額(7494億円)とさほど変わっていないので、1年間この水準を維持するとすれば、手数料収入は単純計算で年間1109億円となりますね(7,395×0.15=1,109.25)。
※1 貸し倒れになる分は考慮していません
※2 キャッシングの利率は、借り手の属性によって変わるものですが、ここではリボと同じ15%と仮定しています(楽天カードキャッシングの標準利率は18%)
全体の利益に占める手数料収入の割合
で、楽天の2020年の利益なんですが、今回はモバイル事業で大赤字をたたき出しているので、全体でも938億円の赤字となっています(決算スライド補足資料11ページ)。
このままじゃ比較ができないので、モバイル事業の赤字分(2270億円)をないものと仮定してみましょう。すると、2020年度の利益は1332億円となっていたはずです。
利益に占める手数料収入の割合は…
1109÷1332×100≒83.3〔%〕
…ホントに大半を占めてた…w
いや、書く前はちょっと違う想定をしていたんですよ。
「つい煽るような書きっぷりにしちゃったけど、実際計算してみたら『あれ?思ったほど割合高くないんだな』ってな結論になっちゃうのかな。書いた次の日に『すみません、僕が間違っておりました』なんて謝罪記事を書くことになっちゃうのかな」
なんて考えていたんですが、ホントにイメージ通りで笑えてきます。
フィンテックセグメントの売上自体は、全体の40%弱を占めるだけ(5762億円÷1兆4555億円)なので、手数料収入の利益率の高さが際立ちますね。そりゃオイシイわ(笑)
利益率が高いってことは、借りてる人がそれだけの負担を負ってるってことですからね。借りちゃダメですよ。
(楽天全体の売上が1兆円あることにもちょっとビビってたりするのは内緒です)
楽天が悪いわけじゃない
なんか楽天のイメージを貶めるような記事になっちゃってますが、毎月ポイントを山のようにもらっておいて悪口を書くのも気が引けるので、別に楽天は悪いことをしているわけで無いことは断っておきます。リボ払いにしろキャッシングにしろ、借りる人は借りる必要があると判断したから借りたわけで、当然利率にも納得しているはずです(リボ払い=借金であることの説明は割愛します)。
もし、
「利率なんてイチイチ見てないよ」
って言うんだったら、
「利率なんてどうでもいいから借りよう」
という判断をしていることになります。
こういう記事を書くことで、リボ払いやキャッシングの実態を知る人が少しでも増えてくれるなら、書いた甲斐もあるんですけどねー。まあ多分読んですらくれないので、増えなくても気には病まないことにしてます。
それではまた。
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